目黒社会保険労務士事務所 本庄オフィス

2022年6月20日 障害年金

障害年金の受給(うつ病の場合)

うつ病の場合は障害年金って受給できるんですか??

うつ病の障害年金受給は、とても多い相談です。  ここでは、うつ病と診断された場合の障害年金受給と申請はどのようなことに注意すればよいのかを解説します。

目次

うつ病時に障害年金を申請・請求するための条件

 まず前提として、「初診日要件」と「保険料納付要件」を満たしていることが必要です。これはどの傷病でも共通することです。


・「初診日要件」障害の原因となった傷病の初診日が、国民年金または厚生年金保険の被保険者期間中であること。
・「保険料納付要件」初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間についての保険料納付済期間と免除期間を合算した期間が加入期間の3分の2以上納められている、または、初診日の属する月の前々月までの直近1年間に滞納期間がないこと。※20歳前に初診日がある場合は保険料納付要件は問われません。

 その上で、病気や障害の状態が定められた基準に該当しているかどうかで、障害年金の支給や等級が決められます。
 いくら症状が重くても、「初診日要件」や「保険料納付要件」を満たしていない場合は、障害年金を受給することはできません。

うつ病の障害認定基準

症状が重い方から順に1級、2級、3級となっています。

 3級は、初診日に加入していた年金制度が厚生年金保険(共済年金)の方が対象です。初診日に国民年金に加入していた方は、1級または2級に該当しないと障害年金が支給されません。

等級障害認定基準の規定要約すると
1級高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするため、常時の援助が必要な状態うつ病で身の回りのことがほとんど出来ない状態
2級気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり又はひんぱんに繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受ける状態うつ病で、日常生活が著しい制限を受ける状態
3級気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したり又は繰り返し、労働が制限を受ける状態うつ病で労働が制限を受ける状態
 

精神の障害に係る等級判定ガイドライン

日常生活能力の判定(うつ病)

 「日常生活能力の判定」とは、日常生活の7つの場面における制限度合いを、それぞれ具体的に評価するものです。

判定項目例示
適切な食事・配ぜんと片付けも含めて3度の食事をバランスよく摂れるか
身辺の清潔保持・洗面、洗髪、入浴等の身体の衛生保持や着替え等ができるか
・自室の清掃や片付けができるか
金銭管理と買い物・金銭を独力で適切に管理し、やりくりがほぼできるか
・一人で買い物が可能であり、計画的な買い物がほぼできるか
通院と服薬・規則的に通院や服薬を行い、病状等を主治医に伝えることができるか
他人との意思伝達及び対人関係・他人の話を聞く、自分の意思を相手に伝える、集団的行動が行えるか
身辺の安全保持及び危機対応・事故等の危険から身を守る能力があるか
・通常と異なる事態となった時に他人に援助を求めるなどを含めて、適正に対応することができるか
社会性・銀行での金銭の出し入れや公共施設等の利用が一人で可能か
・社会生活に必要な手続が行えるか

上記は項目ごとに一人で暮らしている事を想定して、次の4つの指標で評価します。

  1. 1.できる
  2. 2.自発的にできるが時には助言や指導を必要とする
  3. 3.自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる
  4. 4.助言や指導をしてもできない若しくは行わない

日常生活能力の程度」とは

日常生活能力の程度は診断書において次の5項目で医師が判定します。

  1. 1.うつ病による精神障害(病的体験・残遺症状・認知障害・性格変化等)を認めるが、社会生活は普通にできる。
  2. 2.うつ病による精神障害を認め、家庭内での日常生活は普通にできるが、社会生活には、援助が必要である。
  3. 3.うつ病による精神障害を認め、家庭内の単純な日常生活はできるが、時に応じて援助が必要である。
  4. 4.うつ病による精神障害を認め、日常生活における身のまわりのことも、多くの援助が必要である。
  5. 5.うつ病による精神障害を認め、身のまわりのこともほとんどできないため、常時の援助が必要である。

仕事をしている場合(うつ病)

うつ病の障害認定基準では、「仕事をしている場合については仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認して日常生活能力を判断する」としています。

 しかし就労できることは一般的に「日常生活能力が高い」と評価されてしまうのも事実です。したがってうつ病で仕事に支障が出ている状況を診断書で正確に示していくことが必要になります。

  1. 勤務先(一般企業、就労支援施設、その他)
  2. 雇用体系(障害者雇用、一般雇用、自営、その他)
  3. 勤続年数
  4. 仕事の頻度(週に〇日、月に○○日)、出勤日数(障害認定日の前月と前々月)
  5. ひと月の給与
  6. 職種、仕事の内容
  7. 仕事場での援助の状況や意思疎通の状況
  8. 就労の状況(欠勤・早退・遅刻の状況を含む)
  9. 就労により日常生活能力が著しく低下した場合はその状況
  10. 通勤方法、通勤時間
  11. 仕事中、仕事が終わった時の体の状態

・就労系障害福祉サービス(就労継続支援A型、就労継続支援B型)及び障害者雇用制度による就労については、1級または2級の可能性を検討する。 就労移行支援についても同様とする。
・障害者雇用制度を利用しない一般企業や自営・家業等で就労している場合でも、就労系障害福祉サービスや障害者雇用制度における支援と同程度の援助を受けて就労している場合は、2級の可能性を検討する。


参考:等級判定ガイドラインより

障害認定で考慮されるその他のポイント(うつ病)

障害認定では上記の「日常生活能力の判定」、「日常生活能力の程度」、「就労している場合には就労状況」と共に下記の項目を総合的に評価して等級が決定されます。

項目考慮する要素具体的な内容
(等級判定ガイドラインより)
現在の病状又は状態うつ病については、現在の症状だけでなく、症状の経過(病相期間、頻度、発病時からの状況、最近1年程度の症状の変動状況など)及びそれによる日常生活活動等の状態や予後の見通しを考慮する適切な治療を行っても症状が改善せずに、重篤なそうやうつの症状が長期間持続したり、頻繁に繰り返している場合は、1級または2級の可能性を検討。
療養状況・通院の状況(頻度、治療内容など)
・入院時の状況(入院期間、院内での病状の経過、入院の理由など)
・在宅での療養状況 
・病棟内で、本人の安全確保などのために、常時個別の援助が継続して必要な場合は1級の可能性を検討。
・在宅で、家族や重度訪問介護等から 常時援助を受けて療養している場合は1級または2級の可能性を検討。
生活環境・家族等の日常生活上の援助や福祉サービスの有無
・一人暮らしの場合、その理由や一人暮らしになった時期
・一人暮らしであっても、日常的に家族等の援助や福祉サービスを受けることによって生活できている場合は、それらの支援の状況を踏まえて2級の可能性を検討。また家族等の援助や福祉サービスを受けていない場合であっても、その必要性を考慮。

障害年金の請求(申請)手続きの進め方

  1. 1. 初診日を調べる
  2.     ↓
  3. 2. 医師に診断書の作成を依頼する
  4.     ↓
  5. 3. 「病歴・就労状況等申立書」を作成する

うつ病で障害年金を請求(申請)するときの注意点

日常生活の状況は、きちんと診断書に反映されているか?

うつ病での障害年金認定では、診断書裏面の「日常生活能力の判定」と「日常生活能力の程度」が特に重要なポイントです。

 このうち「日常生活能力の判定」は、一人暮らしであると仮定して、医師が記載することになっています。

 受診の際、ありのままの状況を話せていますか?

 医師の前では元気に振る舞っていませんか?

 このような場合は、日常生活能力がきちんと診断書に反映されない可能性があります。

 そうならないために、普段から医師とコミュニケーションを取り、日常生活の状況を伝えるようにしましょう。

 診断書の依頼時には、日常生活状況をまとめたメモを渡したり、ご家族など、普段の様子を知っている方から説明してもらったりするのも有効な方法です。

精神科の受診日が初診日とは限りません!

うつ病では、不眠や頭痛の症状で内科などを受診し、その後に心療内科や精神科でうつ病と診断されるようなケースがあります。

 この場合、心療内科や精神科を受診した日ではなく、不眠や頭痛の症状で内科などを受診した日が初診日となります。

 また、最初は「自律神経失調症」など、別の病名がついていることもあります。うつ病との間に関連性が認められる場合は、初診証明の病名が違っていても問題はありません。

働いていると障害年金は受給できない?

働いていても障害年金を受給できる可能性はあります。ただし精神の障害の場合、他の疾病のような病気の程度を表すような数値的な指標がないため、就労している事実のみによって日常生活能力があると見られたり、障害の状態が軽くなっていると判断されたりすることがあります。

 うつ病で障害年金を請求(申請)する時は、障害認定基準に記載されているように、仕事の種類や内容、就労状況、仕事場での援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況などを審査側に伝える必要があります。

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監修者:目黒貴史(めぐろ たかふみ)

埼玉県社会保険労務士会会員
会員番号:第1041610号 登録番号:第11140022号

日本大学大学院修了。社会保険労務士事務所勤務を経て、平成26年独立開業。年金相談実績は1000件以上。そのほか、各種年金セミナーや書籍の専門家校閲なども行なっています。

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