高崎市在住50代 精神障害(傷病名 統合失調症)で障害基礎年金2級が認められたケース
最初にご相談をいただいたときの状況
50代の女性のご家族からの相談でした。相談時点で不眠・幻聴・幻覚・被害妄想・自殺願望等の症状をお持ちとのことでした。このような症状をお持ちの場合にありがちなのですが、ご本人としては異常はなく、それが故に障害年金を請求したくないということで、ご家族からのご相談でした。
当事務所の考え方
障害等級2級の状態として「日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度」とあります。今回の相談者の方は、上記症状の為にお一人での生活が困難で、この状態に合致していると考えました。また、症状を指摘されることを嫌い、ご家族と口論となるということでしたので、年金請求についてしっかりと理解していただく必要があると考えました。
受任してから請求までに行ったこと
①説得と症状の状態確認
ご家族の方の立会いの下、年金制度全般を説明し、ご本人の症状がその症状であり、そのために障害年金を請求しなければならないということにご理解いただきました。無事に請求業務を受任するに至り、ご本人から委任状をいただきました。こちらもご家族の方の立会いの下、症状の状況を事細かにヒヤリングしました。
②診断書等の取得のサポート
通院歴として複数の医療機関に受診歴があり、しかも長年にわたり通院されていました。このような場合「受診状況等証明書」が初診の病院で取得できないことがあり、当事務所が病院に連絡すると、今回のケースがそれにあたりました。診察券に受診年月日が記載されていたため、その写しを参考資料として請求書に添付することにしました。その後、現在通院している病院で診断書を作成してもらい添付資料が整いました。
③申立書、病歴・就労状況等申立書、請求書の作成
ヒヤリングした内容を事細かに記載した病歴・就労状況等申立書を作成、請求書に添付し、年金事務所に提出しました。また、それとは別に初診についても当事務所の見解を申立書にまとめ、こちらも請求書に添付いたしました。
結果
初診の受診状況等証明書が取得できなかったこともあり、請求から約5ヶ月という時間を要しましたが、無事に障害基礎年金2級を受給することができ、約78万円の決定がされました。ご本人の障害年金への理解を深め、請求ができ、受給できたことはご本人にとってもご家族にとっても良い結果となりました。当事務所にとっても良い経験となりました。
※ご本人から了承頂いて掲載しています
監修者:目黒貴史(めぐろ たかふみ)
埼玉県社会保険労務士会会員
会員番号:第1041610号 登録番号:第11140022号
日本大学大学院修了。社会保険労務士事務所勤務を経て、平成26年独立開業。年金相談実績は1000件以上。そのほか、各種年金セミナーや書籍の専門家校閲なども行なっています。